一平ちゃんの逆バージョン!「焼きそば味のショートケーキ」作りに挑戦してみた結果・・・
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こんにちは。OPENLAB Review編集長の大嶋です。

 普段このサイトでは、お菓子や食に関する科学・テクノロジーの話題を中心に、比較的真面目なテイストで記事を執筆しています。しかし、人間とは反動形成する生き物。真面目に書けば書くほど、”たまにはネタに走ってみたい欲求”がじわじわと醸成されていくのです。そして臨界点を迎えたある日、気づけばこのようなツイートを送信していました。

Screen Shot 2017-04-06 at 5.41.50 PM「このサイトはオープンしてまだ3ヶ月。きっと50に至らぬままそっ閉じ案件だろう…。」そう甘く見積もっていたのもつかの間、なんと一平ちゃん公式アカウント様(@ippei_yomise)に拾っていただき、50RTの2倍以上のRTを頂くに至りました。

Screen Shot 2017-04-06 at 5.43.30 PM

 これはもう、後に引けません!私は内心冷や汗を垂らしながらポーカーフェイスを保ちつつ、制作中に余った焼きそばの麺や調味料に独自の調理を施し食べ切りながら、「焼きそば味のショートケーキ」作りに挑みました。

そもそもソースとスポンジは合うのか?検証

 元ネタである「ショートケーキ味の焼きそば」が異彩を放っているのは、言うまでもなく、「ショートケーキ」と「焼きそば」が絶対的に合いそうにない組み合わせだからです。そこでまずは、焼きそばの味の決め手とも言える付属のソースと、ショートケーキの土台であるスポンジの相性を検証することにしました。

 この際、同じ小麦粉由来のスポンジは、麺の代わりになると言えましょう。つまり、なるべく麺の組成に近づけたスポンジを作れば、そこまで相性が悪くならないのではないか?ということです。

 さっそく、一平ちゃん様公式の成分表を拝見し、成分をなるべく麺に近づけようと試みた以下の4つのスポンジを作ってみました。

2017-04-07-11.49.21

1)通常のスポンジ
2)バターをマーガリン(植物油脂)に置き換えたスポンジ
3)さらに砂糖を半量にしたスポンジ
4)さらに砂糖をゼロにしたスポンジ

以下に述べるのは1のレシピです。これを一部改変する形で2〜4を作りました。

まずは、卵3個を割り入れ、砂糖60gを混ぜていきます。

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さらに、小麦粉90gをふるいにかけながら加えて、よく混ぜます。

2e(1)

次に、バター20gと牛乳20gを溶かして合わせたものを用意します。

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そして、両者を混ぜ合わせます。

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型に流し込み、170℃に予熱したオーブンにて35分程度焼いて出来上がり。このレシピを基準にして1〜4を作った結果がこちらです。

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右から順に1、2、3、4です。一度で複数焼くために異なる大きさの型を使ったので高さが違うのはご容赦ください。これらに、一平ちゃん付属のソースとトッピングをかけてみます。

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すごく、どこかで見たことのある見た目な気がしなくもない…が、まあ良いです。口に含みます。

・・・

・・・・・お好み焼きだ!!!!!!!

これはどう考えてもお好み焼きです。感動的なほどお好み焼きなのです。「ソース」と「密になった粉物の食感」という2つの情報が入力されると、脳は勝手にお好み焼きを連想するのだということを知りました。最後にお好み焼きを食べたのは何年前だろうというくらい、しばらくお好み焼きを食べていないのに、脳は一切の迷いなくお好み焼きを連想したのです。

「焼きそば味」のアイデンティティは、ソースの味じゃなくて麺の食感なのか!あのちゅるっとした麺の食感こそが、焼きそばを焼きそばたらしめる必要条件だったのか…!「焼きそば味」を再現するのに必要なのは味ではなく、食感なのか!?

実に驚きと発見の連続です。1〜4、どれを食べてもいずれもお好み焼き感が否めませんでした。4はスポンジのふわふわ感が消失しており、1はバターの風味が妙に"複雑な味わいのお好み焼き感"を強めていて皮肉に感じ、3は味が中途半端に感じられましたので、2の生地を採用することにしました。

「視覚」をいじれば「焼きそば味」になるのか?検証

圧倒的なお好み焼き力にケチョンケチョンにされ、小一時間ほど絶望にくれた私は、ある実験を思い出しました。

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「プレーン味のクッキーを、VRヘッドセットでチョコ味のクッキーに見えるようにするかつチョコの香りを嗅ぎながら食べると、7割の人はチョコ味のクッキーだと認識する」という実験を!!

ツイートに「化学を使って」とあるように、当初の私は焼きそばの風味成分を蒸留などで抽出し、無駄にシャレオツな分子調理的ショートケーキを作ってやろうと企んでいました。しかし今回必要なのは、化学的手法ではなく、見た目なようなのです。

そこで路線変更をしました。

まず、一平ちゃんの容器を用意します。

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スポンジ生地(2)を改めて焼き直してサイズを調整したものを入れます。

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今からショートケーキを覆う生クリームに相当するものを作ります。ボウルに生クリームとゼラチンと一平ちゃんのソースを加え、温めて溶かします。

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色を焼きそばに近づけ、粘度を増すためにソースやゼラチンを適宜追加して混ぜます(結構な量を追加しました)。

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そしてボウルを氷水につけて冷やしながらかき混ぜていきます。

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ゲル風の物体が完成。このゲル風の物体を絞り器に入れ、先のスポンジの上に絞っていきます。

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何をしようとしているか分かるでしょうか。

容器に隙間がないようにスポンジを追加して、とにかく絞ります。

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いかがでしょう、そろそろ分かってきましたか。

まだまだ絞ります。小一時間絞り続けました。その結果…

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焼きそばっぽくなりました!!!

ここに一平ちゃん付属のからしマヨネーズとふりかけを加えます。

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どうですか!!ジャクソンポロックみたい!?いや、

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本物の焼きそば(左)と比べても、どうみても焼きそば!!

作ってる本人でも間違えそうになるくらい似ました!

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これぞ、私の提案する「焼きそば味のショートケーキ」です。

周囲はとてもケーキを作ってるとは思えないほど、ソースの香りが漂っています。そしてこの見た目。嗅覚+視覚の錯覚を発生させるには十分過ぎます。

それでは食べます。食べますよ…気になるお味は…

 

・・・

 

・・・

 

・・・・・・やっぱりお好み焼きだーーー!!

ちょっと生クリームの風味を感じるけれど、それも一切なかったことのようにするかのごとく、スポンジ部分の食感が故にどうしてもお好み焼きに変換される!!脳のバカ!!!脳のバカー!!!!!

結果のまとめ

そろそろHPが切れそうなので、以上で実験を終了します。今回得られた結果は以下のとおりです。

1)「焼きそば味のショートケーキ」は、脳が勝手に「お好み焼き」と認識する。

これは「プリンとしょうゆでウニになる」に匹敵する素晴らしい発見じゃありませんか!少なくとも世界初の発見だと思いますよ!味覚だけでなく、食感も作用した味の錯覚!!(ポジティブ思考で乗り切る)

2)人が食べ物を識別するために必要なのは、味や香りだけじゃない。

当然といえば当然なのですが、香料や成分だけで「◯◯味」が成立するわけではないということを知りました。クッキーの例は同じクッキーだからこそ成り立ったものなのかもしれません。こうした領域を調べていくと、人が食べ物をどのように識別しているかといった、おいしさの認知メカニズムの解明にもつながるのではないでしょうか!(大それたことを言って乗り切る)

このように、脳という機械がある限り、「焼きそば味のショートケーキ」はなかなかに実現が困難であることがわかりました。実現するにはスポンジの概念を覆すところからスタートする必要がありそうです。一平ちゃん様が「ショートケーキ味の焼きそば」を実現している偉大さを改めて実感した次第でございました…!(終わり)。

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執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

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