賞味期限・消費期限の決め方は?わかりやすく解説!
Read
TOP

 賞味期限は「おいしく食べられる期間」であり、多少期限を過ぎても食べられる。一方で、消費期限は、期限を過ぎると安全でなくなるため、期限を過ぎたら食べない方が良い。

 このような違いを知っている方は多いと思いますが、そもそも「賞味期限」や「消費期限」は、一体どのように決定されているのでしょうか。また、最近は食品ロスの観点から、賞味期限の決め方を見直す流れもあるようです。賞味期限と食品ロスは、どんな関係があるのでしょうか。それぞれ、簡単にご紹介してみます!

そもそも「安全な食品」とは何か?

 賞味期限や消費期限は、安全においしく食べることができることを保証する期限だと言えます。食品の安全性やおいしさを脅かす要素は大きく4つあります。

1)腐る・変質する
2)健康を害する菌やウイルスが繁殖する
3)有害物質を含む
4)異物が混入する

 4)は製造段階や包装時の問題が多いかもしれませんが、1)や2)は時間の経過と共に引き起こり、食品中の物質によっては、時間の経過と共に3)も起こりえます。これらの要素を、食品成分や菌の測定によって数値化したり、人が実際に食べるテストを行うことで、賞味期限や消費期限を決定していきます。

賞味期限・消費期限の決め方3段階

 それでは、賞味期限や消費期限を決めるための具体的な検査の方法を見てみましょう。

(1)理化学検査

 こちらは食品そのものの性質や成分を測定するものです。主に、先ほどの1)や3)を調べる検査だと言えます。項目としては、「粘度」「濁度」「栄養成分」「過酸化物価」「pH」「糖度」などの指標があります。製造したての"通常"の状態の製品の測定値と、日数経過後の製品(たとえば4度で10日間保存など)の測定値を比較することで、食品に変化が起きているかどうかが分かります。

rikagaku

(2)微生物検査

 これは食品中に含まれる微生物を測定するものです。先ほどの2)を直接確認する検査だと言えます。「一般生菌数」「大腸菌群数」「大腸菌数」「低温細菌残存の有無」「芽胞菌の残存の有無」などの指標があります。食中毒を引き起こしうる菌がいるかどうかや、その量を調べます。食品によって調べる菌も異なります。こちらも、通常の状態と、日数経過後の状態を比べることで、いつまで食品がもつかを判断できます。

 こうして測定された値を、食品衛生法や各地方自治体によって定められている基準と照らし合わせて判断します。

(3)官能評価

 さらに、数値による評価だけでなく、実際にヒトに食べてもらっての評価も行います。(明らかに食中毒を引き起こしそうなサンプルを使うことはおそらくないですが。)腐敗や変質が実際の感覚としての味にどのように影響するかを調べる検査だと言えます。

「安全係数」ー賞味期限が食品ロスにつながる理由

 これらの検査を通じて「この期間まではもつ」と判断されます。しかし、その期間がそのまま賞味期限や消費期限になるのではなく、実際には0.7や0.8といった1未満の「安全係数」と呼ばれるものをかけて決定されます。例えば、検査で「30日後までOK」と分かった場合でも、安全係数を0.7とするなら、賞味期限は21日後の表示となります。

 食品はおいしい前に「安全」であることが大前提。一度でも食中毒を起こしてしまったら、その企業への信頼は失墜し、製造も止めなければなりません。念には念を入れ、それぞれのメーカーが独自に安全係数を設定しているようです。なお、1つ1つの商品を個別に分析するのはかなりの手間となるため、類似の製品を参考に賞味期限を決定することもあるようです。

 ただし、これは裏を返せば、まだ食べられるものを廃棄することにつながると言えます。日本では、年間632万トンほど無駄に食料が廃棄されているようです。この中には、「期限が切れているから」という理由で破棄されているものも多いといいます。安全係数があるために、実際にはまだ食べられるものが捨てられてしまいうる現状。この問題は複雑で、今後とも議論が絶えないテーマとなりそうです。

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

【食環境の関連記事】

食品ロスはなぜ止まらない?人が食べ物を捨てる意思決定の心理学

食糧難や宇宙生活でもOK!近未来の食生活を支える3つの食材

美味しくておしゃれな最新の「食べられる食器」を紹介!

Follow Me!

新着記事の更新情報をお知らせします!

Twitter:@BAKE_OPENLAB
Facebook:BAKE OPENLAB

TOP

RANKING

FEATURE