砂糖の代わりにキノコ?第三の甘味料「ClearTaste」に注目!
Read
TOP

 飲み物に加えると苦味を抑えることができる食材「ClearTaste」が、アメリカのMycoTechnology社より登場した。キノコから作られるこの粉末は、カロリーも砂糖の1/1000。砂糖や人工甘味料の代わりとして期待され始めている。

「甘さを足す」から「苦さを減らす」へ

 コーヒーを甘くする時には、お砂糖やカロリーオフの人工甘味料を入れるだろう。しかし、お砂糖はカロリーが気になったり、人工甘味料は健康への影響が気になったりするなど、甘さの裏には心配ごともついてきがちである。

 こんな甘味料にまつわる心配ごとを解決するのが、「ClearTaste」というパウダー状の食材だ。

scr_k

(https://www.youtube.com/watch?v=OEBLSw5bVV4 よりキャプチャ)

 こちらは苦味をブロックする”苦味ブロッカー”と称される食材で、コーヒーやお酒などの飲み物に加えることで苦味を軽減することができる。甘味を加えるという視点から、苦味を減らすという視点に発想を転換した新しい調味料である。開発したのは、アメリカ・コロラド州の菌類研究者が創業したベンチャー企業、MycoTechnology社。

 苦味を軽減するパウダーとは、一体どんなものなのだろうか。ClearTasteの特徴をさらに見ていこう。

ClearTasteの特徴

◎原材料はキノコ

 実は、苦味を抑える苦味ブロッカー自体は、これまでにもあった。現在では13種類ほどの苦味ブロッカーが出回っているようである。しかし、これらはすべて人工的に合成された成分であり、添加物よりも自然な食材を志向する人が増えている食業界では、あまり普及が進んでこなかった。しかし、ClearTasteは、キノコから取れる成分でできている、世界で唯一の天然由来成分の苦味ブロッカーであり、天然志向の人々にも受け入れられやすいといえるだろう。

pixta_32013921_M_k

 ClearTaste研究のはじまりは、チャーガ茸とよばれるキノコの根っこの成分を使って、砂糖の66%をこのキノコ成分に置き換えたチョコレートを作ったことだった。このチョコレートは、やや独特の風味はあったものの、甘さは砂糖が全量加えられてある普通のチョコレートと同じくらいの甘さだったという。その後、キノコにいくらかの改良を重ね、パウダー状の粉末として製品化された。

◎カロリーは砂糖の1/1000

 さらに、健康志向の人たちに嬉しいことがある。それは、カロリーが砂糖の1/1000程度だということだ。普通の砂糖1グラムは、4キロカロリーほどである。しかし、ClearTasteは、1グラムで3.7カロリー。1キロカロリーは1000カロリーなので、ほぼ1/1000だ。粉末を1kg加えてはじめて砂糖に並ぶくらいなので、カロリーを気にせず使うことができるといえるだろう。

 なお、ClearTasteに含まれる栄養素としては、でんぷんなどの炭水化物が87%、水や脂質が8%、残りの5%がタンパク質やビタミン類となっているようだ。ClearTaste自体は無味無臭であり、もとの食材の味を損ねることもないようである。

◎苦味の信号が脳に送られにくくする

 最後に、ClearTasteが苦味を軽減するしくみを簡単に追ってみよう。

mikaku

 私たちは、舌の上にある味蕾(みらい)という場所で味を感知している。味蕾の上には、甘味、旨味、塩味、酸味、苦味の5種類それぞれを感じるセンサー(受容体)が付いている。これらの受容体に、甘味成分(砂糖など)や苦味成分(カフェインなど)がくっつくと、その信号が脳に届き、わたしたちは甘味や苦味を感じる。

 ClearTasteに含まれる成分は、苦味の受容体の1つである「T2Rs」にはたらきかけて、苦味成分がくっついても、脳に苦味の信号が送られにくくする。こうして苦味が抑えられるのだ。

 ClearTasteは、コーヒーやビールのような明らかな苦味だけでなく、グレープフルーツジュースのようなほのかな苦味も軽減することができる。また、薬として使われるビタミン類の苦味を抑えたり、テキーラやウォッカのようなお酒の苦味も抑えることができるようだ。日本ではまだ購入することは難しいが、将来は、コーヒーには砂糖の代わりにキノコの粉を入れるのが当たり前になってくるのかもしれない。

 ClearTasteに興味のある方は、公式HP(英語)をどうぞ。→http://mycotechcorp.com/index.html

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

TOP

RANKING

FEATURE