一番おいしそうに見えるマカロンは何色?(調査結果)
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 お菓子は、食べ物の中でも色の種類が豊富である。中でも、フランス菓子のマカロンは特にカラフルで、ディスプレイを見ているだけで楽しい気分になれる。

 しかし、マカロン売り場に足を運んだ人が、全種類のマカロンを大人買いすることは滅多にないだろう。多くの場合、全て味わってみたい気持ちをぐっとこらえ、数あるマカロンの中から、いくつかを選ばなければならない。このような時、人はどのマカロンを選ぶのだろうか。何色のマカロンが、最もおいしそうに見えるのだろうか。

連想のしやすさがおいしさにつながる

 静岡大学の研究者である村上陽子さんは、7種類(赤、橙、黄、緑、青、紫、茶、無彩色)の色のマカロンを用意し、129人の実験参加者に見せて、どの色がおいしそうに感じるかを尋ねた。その結果、おいしそうな色としては、茶>赤>緑>橙>黄>白>紫>青>黒の順で評価が高かった。

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 茶色は焼き菓子の焼き目や、チョコレートなどを連想させることがポジティブな評価につながったと考えられた。赤は生理学的に食欲を増進させる色として知られているが、マカロンの場合は茶に負けるようだ。これは、赤から連想される食べ物よりも、茶から連想される食べ物の方が嗜好性が高いためだと考えられる。さらに緑については、抹茶やよもぎなどの緑色のお菓子を連想しやすいことが、おいしそうな感覚につながったという。

 橙や黄色も、赤と同様に一般的には食欲を増進させやすい色であると言われている。しかし、マカロンの着色においては、合成着色料を用いるか天然色素を用いるかによって評価が変わった。

 たとえば、合成着色料の黄は、自然界では見られないほど鮮やかすぎる色合いとなり、天然色素の黄よりも評価が下がった。一方で、橙については、天然色素のものはくすんだ色合いとなるため、色が明るい合成着色料の橙の方が高い評価を得た。私たちがおいしそうかどうかを判断するときには、自然にある食品との一致感も重要となってくるようだ。

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 紫や青は生理学的に食欲を衰退させると言われており、その定説通り、紫や青に対する評価は低かった。最近では紫いも味のスイーツや、青色のパッケージの清涼飲料水など、紫や青の食品を目にする機会も増えたため、色から連想される食品もあるはずだ。それでも紫や青は、本能的に、他の色と比べて魅力が劣るようだ。

薄い色のほうがおいしそうに見える

 さらに、7色のマカロンの色の濃さを4〜6段階に変化させたものを用意し、どの濃さが最もおいしそうに見えるかについても訪ねた。

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(画像:『マカロンの色彩構成が大学生の食嗜好性に及ぼす影響』よりキャプチャ)

 その結果、全体的に、BやCぐらいの薄めの色合いのものをおいしそうと感じる人が多かった。反対に、EやFなどの濃い色合いは食欲を衰退させることもわかった。日本人にとって濃い色合いは、食品として不自然な色だと感じられることが理由だと思われる。ただし、茶に関しては、EやFのような濃いものについても高い評価が得られた(これは連想されるチョコレートなど自体が濃い茶をしているためだと思われる)。

 さらに、色の好みには男女差があるようで、男性の方が全体的に濃いめの色合いを好むことや、青などの食欲衰退色への寛容さは女性の方が高いことがわかった。こうした男女差は、普段目にしているものや、馴染みのある色が男女で異なるなど、生活や文化の違いも関係していると考えられる。

 他にも、人が何かを選ぶときには、理由をつけやすいものを選ぶ傾向がある「理由に基づく選択仮説」という考え方もある。色から連想されるものが具体的であるほど、人はその色を好きで選んだと錯覚することもあるかもしれない。自宅でマカロンを作ったり、誰かにプレゼントするためにお店でマカロンを購入するときには、色がもたらす心理作用を考えながら選んでみるのも良いだろう。

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

参考文献
マカロンの色彩構成が大学生の食嗜好性に及ぼす影響

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