おいしいプリンの秘訣は「食感」よりも「濃厚さ」(調査結果)
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 なめらか、とろける、卵感が強い、クリーミー、などなど。プリンはスイーツの中でも、特に多様性に富んでいる。そんな競合が多いプリン業界の中で人気を獲得するプリンには、どのような特徴があるのだろうか。人はどのようなプリンをおいしいと感じやすいのだろうか。プリンのおいしさの決め手に迫ってみよう。

プリンのおいしさは「濃厚さ」にアリ?

 プッチンプリンのような定番のプリンから、手作り感にこだわったプライベートブランドのプリンなど、スーパーやコンビニには個性豊かな数々のプリンが販売されている。中でも最近よく見かけるのは、なめらかさやクリーミーさを追求したような、柔らかいプリンではないだろうか。

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 現代人は昔の人と比べて、噛む回数が少なくてすむ柔らかい食べ物を好むと言われることもあるが、プリンにおいても、柔らかい食感が好ましさの要因になっているのだろうか。

 このような疑問を抱いた京都女子大学の門間敬子教授らは、プリンのおいしさの要因を調べる実験を行った。市販のプリンを6種類用意し、その硬さや色合い、プリン中の水分子の状態などを定量的に測定した。それと同時に26名の実験参加者に、おいしさの度合いと、「なめらか」「プルルン感」「甘い」「濃厚」「とろける」の5つの項目について、点数をつけて評価してもらった。これらのデータを統計的に処理し、おいしさと相関が高い要素が絞り込まれた。

 その結果、おいしさと相関する要素は、柔らかさやプルルン感といった食感に関わるものではなく、「濃厚さ」であることが分かった。つまり、なめらかなプリンか固めのプリンかといったことよりも、濃厚な味わいであることが、おいしいプリンにとって重要な要素であるようなのだ。

とろけるプリンの本質は食感ではない?

 食べ物に「濃厚」という概念があることについて異論を唱える人は少ないだろう。しかし、濃厚とはどんなものか、説明しようとすると難しい。甘味や旨味といった味覚のしくみは明らかになってきている一方で、濃厚な味とはどんな味なのかについては、まだ科学的にも決着がついていない。

 しかし、濃厚とほぼ同義ともいえる「コク」については、少しずつ分かってきていることもある。コクを定義するのは難しいが、コクとは、”複雑な味わい”、”持続性”、”広がり”などで説明できると考えられている。また、コクを生み出す物質も、いくつか明らかになってきている。

egg-552848_1920 プリンのコクに関わると考えられるのは、脂質である。脂質にはコクを増すはたらきがあることが、肉や魚、スープなどに脂質を添加した実験によって明らかになっている(*2)。プリンの材料である卵の卵黄には、「レチシン」と呼ばれる脂質が含まれている。このレチシンは、プリンのコクを増すことに関係すると言われている(*3)。

 また、なめらかなプリンほど、生クリームや牛乳といった脂質を含む材料が追加されている。先ほどの実験でも、物理的に柔らかいプリンほど脂質の量が多いことが明らかになった。

 柔らかいプリンの人気の秘密は、食感そのものというよりは、脂質成分の多さによるコク(≒濃厚さ)にあるのかもしれない。

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー


参考文献
*1 市販プリンのおいしさに関わる要因
*2 脂質は食品のおいしさやこくに影響するか?
*3 卵黄レシチンがプリンの風味となめらかさに及ぼす影響

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