シナモンが脂肪燃焼を促進する分子メカニズムが発見される(米研究)
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 シナモンの香り成分である「シンナムアルデヒド」(CA)という物質が、脂肪の燃焼を促すことが発見された。マウスやヒトの脂肪細胞にCAを投与したところ、脂肪を分解して熱を生み出す経路が活発になったという。シナモンの肥満予防効果が期待される。研究成果は、2017年11月に『Metabolism』誌にて発表された。

シナモンは味を豊かにするだけじゃない

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 シナモンロール、八つ橋、アップルパイ、スイートポテト、チャイなど、シナモンは幅広いスイーツやドリンクに使われるスパイスだ。食べ物にシナモンを加える目的は、主に香りづけである。シナモンには「シンナムアルデヒド」(以下、CA)という成分が含まれており、これがシナモン独特の香りを生み出している。ところが近年、CAには、香りづけ以外の効果があることが分かってきた。

 これまでの研究で、CAをマウスに加えると、マウスの肥満や高血糖が抑えられることが分かっていたが、その詳しいメカニズムは不明だった。この度、ミシガン大学の研究者らは、CAが皮下脂肪細胞に直接はたらきかけることで、蓄えられている脂肪が分解され、熱が生み出されるようになることを明らかにした。

 研究者らはまず、マウスの皮下脂肪細胞を用意して、400μMの濃度のCAを入れて培養した。すると、脂肪細胞が脂肪を分解して熱を生み出すときに活発になると言われている「PKA」と「p38MAPK」といった酵素が活発になることがわかった。つまり、CAを加えることで脂肪の分解が促されたのだ。

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 さらに、将来脂肪細胞になることができるヒトの幹細胞に、200μMの濃度のCAを入れて培養した。脂肪細胞には、脂肪を蓄える「白色脂肪細胞」、脂肪を分解して熱を生み出す「ベージュ細胞」や「褐色脂肪細胞」の3種類がある。実験で使った幹細胞は、白色脂肪細胞から採取されたものであるため、白色脂肪細胞になる予定だった。

 しかし、CAを入れて培養した結果、脂肪の分解や脂質の代謝に関わる遺伝子が活発になっていたことから、幹細胞がベージュ細胞や褐色脂肪細胞の性質をもつ細胞に変化したことがわかった。つまり、CAを投与することで、幹細胞からできあがる脂肪細胞の種類を変えられる可能性があることがわかったのだ。この現象には、CAの投与によって脂肪細胞から分泌されるようになった「FGF21」という成分が関わっていると考えられている。

 この実験は細胞レベルの実験であり、人体レベルでも同様のはたらきがあることを保証するわけではない。しかし、シナモンは香りづけの他にも、脂肪を燃焼して体を温める効果を期待できる可能性があることがわかった。もちろん、ダイエットを志すのであれば、カロリーの高いシナモンロールなどを食べるのは本末転倒である。シナモンティーのような、糖分をあまり含まないドリンクとしてシナモンを飲むことは、肥満の予防に効果的かもしれない。

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

元論文
 Juan Jiang, Margo P. Emont, Heejin Jun, Xiaona Qiao, Jiling Liao, Dong-il Kim, Jun Wu. Cinnamaldehyde induces fat cell-autonomous thermogenesis and metabolic reprogramming. Metabolism, 2017; 77: 58
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0026049517302123

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