2018年に来る"食のトレンド"を専門家が予想!
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 ライフスタイルの変化やテクノロジーの進歩にともなって、毎年のように新しい食品が現れる。2017年は、「コールドブリューコーヒー」のような素材の味をさらに追求するものや、"インスタ映え"を狙ったキャッチーな見た目の食品が増えたように思う。今年も残すところあと1ヶ月弱。来年はどんな食品が登場するのだろうか。イギリスの市場調査会社Mintelが発表した、2018年の食トレンド予想を見てみよう。

2018年の食トレンドのキーワード

1)信用

 食品の偽装や異物混入、劣悪な原材料の使用など、食の安全をゆるがすニュースは絶えない。こうした中、「自然由来」や「環境に優しい」食材が好まれる傾向が強まっている。2016年9月から2017年8月までの間に、「遺伝子操作フリー」や「無添加」を謳う食品は29%増えたという。また、原材料や製造プロセス、流通などに関する正確な情報の開示を求める声も増えている。バーコードをスキャンして、どこで誰によって作られたかがわかるしくみも見られ始めた。従来の、安価な原材料を使って大量生産されるものよりも、産地や生産者がはっきりわかる食品や、生産地を起点とするブランドに人気が集まり始めているという。

 食べ物をおいしく味わうためには、その食べ物が安全であり、安心して口にできるものであることは大前提だ。これからの生産者には、品質の担保とオープンな情報開示がこれまで以上に求められていくだろう。

2)セルフケア

  慢性的なストレスや生活習慣病リスクを抱えている人が増えており、バランスのとれた食事やリラックスの重要性が高まっている。お菓子のような嗜好品でさえも、糖分や脂肪分が少なく、ローカロリーで高タンパクな製品が好まれるようになってきた。また、ハーブやスパイスなどの植物に含まれる成分(フィトケミカル)は、ストレス解消が期待できるとして、食べ物や飲み物に配合される事例が増えている。

 ただし、お菓子を食べることは多くの人が大切にしている文化であり、気分転換にもつながる。カナダ人の3分の2、英国人の41%は、お菓子は食生活の一部として重要だと考えているようだ。未来のお菓子には、おいしさの他に、日常的に食べることでセルフケアができるような機能が求められていくのかもしれない。

3)テクスチャー

 食べ物の進化は、見た目や味だけにとどまらない。サクサクやふわふわといった食感(テクスチャー)は、触覚と聴覚を刺激して、五感で味わうことや、食べる体験自体を豊かで楽しいものにする可能性を秘めている。たとえば、炭酸飲料に求めているのは、シュワシュワした口当たりや爽快感ではないだろうか。タピオカミルクティのようなものが流行ったのも、タピオカのモチモチとした食感によるところが大きいだろう。今後は、より驚きと喜びを喚起する食感の食べ物や飲み物が増えていくと思われる。

 新たな食感を作るにあたっては、ピーマンのピリ辛成分や微生物発酵に作られる成分などの自然由来の成分が活用され始めることも予想される。また、リッツクラッカーのCMのように、「サクッ」などの食感に由来する音自体が、商品のサウンドロゴとして使われる事例もあることも、食感の重要性を示唆している。

4)パーソナライズ

 スーパーやコンビニで食品を"選ぶ"行為にも変化が訪れようとしている。多くの通販サイトでは、販売履歴や閲覧履歴から、私たちが好きそうな類似商品を提案してくれる。このように個人に合った提案を行う"パーソナライズ"が、食品業界にも訪れようとしているのだ。個人の行動パターンや日頃よく買う商品をデータとして収集することで、一人一人に合った買い物リストや栄養指導を提案することができる。自動的に最適な食品をアプリやAIが選んでくれることは、時間や労力を節約したい現代人の需要に合っている。

 また、個人についてのデータは、消費者だけでなく、生産者や販売者にとっても、生産量や仕入れ量を正しく見積もることにつながるので有益だ。これまで実店舗と通販サイトは競合関係にあったとも言えるが、今後は両者がデータを共有しながら一体となって、私たちの買い物を変えていくだろう。

5)環境にやさしい代替食

 農業や酪農において、科学的なデータを元に最適な生育環境を目指す試みが増えてきた。また、細胞培養や3Dフードプリンタなど、食品の製造のあり方にも変化が見られ始めている。科学技術を用いた新しい食材の多くは、先に述べた「自然由来」とは対極に位置する存在であり、一般の人々に受け入れられるまでには時間がかかるかもしれない。

 しかし、科学技術を使って新たな食品を製造することは、環境へのダメージを減らすメリットがある。たとえば、植物で作った肉を使ったハンバーガーの生産は、通常の肉を使う場合より、土地を95%、水分を74%、温室効果ガスの排出を87%削減することができるようだ。人工的なものに対する心理的抵抗感の壁は、客観的な数値によって時間をかけて少しずつ取り払われていくのかもしれない。

参考:Global Food & Drink Trends 2018

 

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

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