未来の食を考えるワークショップ「Future Gastronomy Workshop」イベントレポート
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 2017年11月24日、東京・渋谷のFabCafe MTRLにて、「30年後のおやつを考える」をテーマにしたワークショップ「Future Gastronomy Workshop」を開催した。OPENLAB Review初のオフラインイベントである。当日の様子をレポートしよう。

未来の食はどう変わる?

 科学やテクノロジーは、未来の食をどう変えるか?──メディアローンチから約1年間、OPENLAB Reviewでは様々なテーマを取り上げながら、「お菓子」を軸に食の進化と向き合ってきた。

 今回のイベントは、「バイオテクノロジー」をキーワードにつながった2つの団体との共催である。多分野の人々が集まってバイオテクノロジーの未来を考えるプラットフォーム「BioClub」。そして、以前取材にご協力いただいた、細胞培養技術で食糧生産の革新を目指す「Shojinmeat Project」だ。

 バイオテクノロジーは、食を進化させる可能性を秘めたテクノロジーの1つである。遺伝子のハサミとも呼ばれるゲノム編集技術でアレルゲンを排除した卵を作ったり、筋肉の細胞を培養して肉を生産したりするなど、バイオテクノロジーを使った試験的な食材が近年多く見られるようになった。

 このまま技術が進歩し続けたら、食はどのように進化していくのか?食品を生産する立場として、何に気をつけながら、どんな風に進化させていくべきか?現時点で考えうる、未来のアイデアを議論すべく、ワークショップの開催に至った。

「30年後のおやつ」を想像する

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 まずは、Shojinmeat Project、OPENLAB Review、BioClubの順で紹介プレゼンテーション。各々が目指す方向性や、活動の目的を共有した。ご来場いただいたのは20名ほどで、食品業界の方や出版業界の方など、比較的近しい業種の方が多かった印象である。テーブルごとに、3〜4人ずつのグループに分かれた。

 その後、主催が用意した「マテリアル」を配布し、ワークショップを開始。マテリアルとは、最新テクノロジーの応用例を40個ほどまとめた冊子である。バイオテクノロジーに限らず、バーチャルリアリティや人工知能などの最新テクノロジーを使って食を進化させている事例を集めた。以下はその一部である。

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 マテリアルに目を通して頂いたあとで、各々が興味を持った・重要だと思ったアイデアをポストイットに書き出し、グループ内で発表しあった。ホワイトボードを使って共通するアイデアをまとめたり、連想を膨らませたりしながら議論が進んだ。

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 筆者が参加していたテーブルでは、「インスタグラムの飯テロは、味や食感そのものを共有するようになる」「香りは記憶との結びつきが強いから、味と香りでテスト勉強をする記憶術」「高齢者やアレルギーの人でもおいしく食べられるための分子調理」などのアイデアが出ていた。

 そして最後に、話し合いで膨らませたアイデアや技術を元に、一人が1コマずつ書き入れる形で4コマ漫画を作成。「30年後のおやつ」のワンシーンを作り、テーブルごとに発表していただいた。その一部をご紹介しよう。

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「初恋の味」
 味と香りから人の初恋の記憶を蘇らせ、脳内で追体験できる未来のガム。A子は、友人から「これ、B男からお前に」とガムを渡される。噛んでみると、B男の初恋相手は自分だったことが発覚!通勤中・通学中など、どこでも使える初恋追体験ガムは、恋愛シミュレーションゲームの座を乗っ取る存在に。

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「進化したフードプリンタ」
 3Dフードプリンタが発展し、新しい食感を生み出す、焦げ目をコントロールするなど、調理なくして様々な料理を生み出せるようになった。しかし、くいしんぼうジジイは、歯がないので硬いものが食べれない。そこで、見た目と味を完璧にからあげに似せたムースを作成。おいしさと食べやすさが共存できるようになった。

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「ドラッギーなお菓子」
 腸内細菌と脳のつながりの研究が進み、ハッピーな時に食べると腸内細菌に効果的なタブレットが発売。人々はハッピーになるたびに摂取をするが、次第にタブレットを食べないとハッピーになれないヤク中状態に。しかし進化した腸内細菌は人間の脳を進化させ、ヤクの副作用を無効化するように。

 各テーブルのホワイトボードや4コマを元に、参加者の鷲頭敬規さん(横山香料株式会社・研究開発室所属)がキーワードをまとめてくださった。五感、感情、記憶、栄養機能、パーソナライズなどが鍵となりそうだ。

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(画像:鷲頭さん作成のラフを元に、OPENLAB Reviewが編集)

 これらのアイデアを実現するにはさらに技術が発展する必要はあるが、想像なくして発展はないだろう。もともとは動物の生存手段にすぎなかった食べ物や、味覚や嗅覚といった感覚が、体験や身体機能の拡張、記憶デバイスとしての価値を持ち始めるようになる流れは大変興味深いものだ。OPENLAB Reviewでは、2018年も食の進化の動向も引き続き追い続けていく。1年後の今頃は、現時点からどれぐらい進歩しているのだろうか。今から楽しみだ。

執筆:大嶋絵理奈(Facebookでフォロー

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